第ニ幕 1

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「確かに、それを続けられたら誰も片付けたがらないね」 頷いたヨシュアはエステルを見た。彼女も頷いている。 「それにしても論文を書いた後のレンの部屋とどっちがすごいかしら?」 「失礼ね。レンはこんなに散らかしたりはしないわよ」 エステルがつぶやいたことにレンは頬を膨らませた。それでも自分が部屋を散らかすことがあることを自覚しているためか、声は少し小さめだった。  そんな彼らを見ていたグラッツが当然レンの存在に気が付かないはずはなく、 「その子が元執行者の少女か」 と、真剣な表情で二人に聞いた。  エステルとヨシュアが無言で頷く。  レンは知らず、エステルの服の裾を握り締めていた。 「そうか。まあ、分かっているとは思うが、ここで悪さをしたりしたら容赦なく追い出すからな。間違っても人に迷惑をかけるんじゃないぞ」 「わかってるわ」 ゆっくりと頷くレンを見て、満足そうに頷いたグラッツはレンの頭を撫でていた。  その行動に戸惑いながらもレンは受け入れる。  その後、グラッツにその場を明け渡し、残念そうに見送るビリックに挨拶をしてエステルたちはギルドを後にした。
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