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「工房長がお会いになるそうです。案内の者を呼びますので少々お待ちください」
丁寧に頭を下げられ、エステルは面食らうものの頷いたのだった。
受付の女性が改めて通信機を手に取る。
「あ、あの!」
とそこで明るいけれど少し戸惑いがちな少女の声が三人の後ろからした。
聞き覚えのある声にエステルたちは振り返る。
そこに立っていたのは明るいブロンドの髪に青い瞳の女の子。赤を主に使った服は少女らしさをかもし出しながらも動きやすさを重視したような短パンのオーバーオールだった。
その姿に三人ともに見覚えがあった。
「あ、ティータ!」
少女に一番に声をかけたのはエステルだった。
おろおろとしていた少女の表情が一転して明るい笑顔に変わる。
「やっぱり、エステルお姉ちゃんとヨシュアお兄ちゃんだ!」
嬉しそうに駆け寄ってくる少女。
エステルが迷わず抱きしめていた。
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