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「あのあの、この後時間があればうちによって行きませんか? おじいちゃんが喜ぶだろうし、今はお父さんとお母さんもいるんで」
ティータが自宅に招待すると言い出したのは、工房を後にしてエスカレーターで街に下りていたときだった。
「そうね。ラッセル博士とは挨拶しておかなきゃって思ってたし、ティータのお父さんたちにも会ってみたいわね」
相づちを打ったのはエステルだった。
こういうとき、行き先を決めるのはエステルだ。レンとヨシュアはよほどのことがない限りは口出しをしない。
「じゃあじゃあ、行きましょう。お父さんたちもきっと喜んでくれると思います」
ティータは嬉しそうにはしゃぎ、レンの手を取って走り出す。
「ちょっと!」
と迷惑そうな声を出すレンだったが仕方ないわねという顔をして大人しくついていく。実際には本人も嬉しいのだが、照れくさくて表に出すことができないだけなのだが。
その後をエステルたちが追いかける形でついていくのだった。
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