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小さいころ、よく占いの番組を見ていた。風水とか星座とか手相とかその他もろもろ。
男の俺が言うのもなんだが、そういう番組は嫌いじゃなかった。むしろ、好きだった。
チャンネルをいじって占い系の番組を見つけたら、食い入るようにテレビを見ていた記憶がある。
当時、よく当たると有名だった占い師の人おばさんがいた。彼女がでた番組は必ず見ていた。
ある日、いつものように彼女に占いを頼んできた青年を彼女はテレビカメラの前で占った。そして、彼女はこう言った。
『あなたには死相が視えます。近いうちに死ぬことになるでしょう』
会場は騒がしくなり、死ぬと告げられた青年は、驚きのあまり声がでない。
彼女は、手をかざすという単純な動作だけで、人の『死』が視えた。
捻くれた思考をもつ今ならばやらせだったように思える。
あの青年が本当に占い通りに死んだのか、占いが外れ、今も生きているのか。俺にはわからない。
そのときの俺は、小さかったし、純粋だったから、思ったんだ。
人の『死』が視えるのなら、テレビなんかにでてないで、その人を助けてあげればいいじゃないか。『死』が視える人を見つけて、助けてあげれば、みんな幸せになる、ってね。
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