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~とある日~
「ありがとう ございましたぁ―!」
今日も忙しかった1日は終わり、この観華駅構内にあるパン屋『BRIGHT BAKERY』は閉店時間になった為、いつもの様にレジ締めと掃除を終え、店側の戸締りをし、販売員の女の子2人がいつもの様に
「店長―!お疲れ様でしたぁ――!!」
と店から出る際に、製造室に残っていたこの店の店長である江原 和岐にいうと、和岐も
「ああ、お疲れ様。」
と言って、最終確認をしに製造室内に戻っていき、販売の子達はいつもの様に、店からは少し離れた事務所に戻り、私服に着替えなおして帰っていきました。
それから、店内で1人っきりになった和岐はガチャガチャと使っていた道具を洗い、片付けた後、
「俺も帰るか・・・。」
と誰に言うでもなく、店のホーム側の戸締りをし、事務所の片付けも済ませ、自宅へと帰って行きました。
だが、この翌日の早朝、この店が惨劇の現場となる事を誰が予想出来たであろうか?
そう――、この店の女性従業員の1人が普段なら鍵も掛かっていて、真っ暗闇であるはずの1室からほのかに明かりが漏れているのを不思議に思い、その部屋に通じる戸を開かなければ、彼の発見が遅れていたでしょう。
なぜなら、その部屋には急所は外れているものの、胸の辺りから出血して倒れていてながらも、かろうじて生きている危険な状態で、まだ出勤してきていないはずのこの店の店長である和岐が倒れていたのですから――――。
――なぜ、まだ“いるはずのない”和岐がいたのか?
そして、なぜ刺された状況でこの部屋の中にいたのか?
さあ、解決の糸口を見つけられる彼女と物語を始めましょう。
和岐を刺した犯人を見つけるため、一命を取り留めた和岐の目覚めを待ちながら―
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