あいつとの出会い。

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「よう若葉!あ、彼女は伊東若葉。うちの女子部の部長なんだ」 若葉はまだあどけない表情を自分に向ける2人の少女の姿を見ると、燦爛とした笑顔を見せて言う。 「あなたたちは、立花和香さんと美空さん、そうでしょ!?2人に会えるのを楽しみにしていたの!ようこそ、青葉へ」 そう言って若葉もまた井上と同じように和香と美空に握手を求めた。 姉妹が入学を決めた青葉学園高等学校は、もともと地元では歴史のある進学校、しかも男子校であったのだが、2年前から共学化したばかりで、在校生は未だ圧倒的に男子の方がその数が多く、各女子運動部は部員の人数がままならずまともな活動ができていなかったというのが現実であった。 「うちの女子部員、私を入れても3人しかいなくてリレーのチームすら組めなかったんだ。和香さん、あなたはうちの救世主よ。そして美空さん、あなたは走るのも結構早いって聞いてる。一緒に頑張ろうね」 そう言って若葉はまた笑顔を見せ、一言付け加えた。 「私、一応去年の県大会100mで優勝してるんだけど、中学全国大会で優勝した和香さんのタイムと比べたらかなり遅いけどね。うふふ、でもあなたに負けないように頑張るね」
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