あいつとの出会い。

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和香と美空、そして若葉を加えた3人は直ぐに打ち解け、双子の姉妹にとって新たに始まろうとしていた高校生活についての話に華を咲かせた。 そんな光景を微笑ましく見ていた井上だったが、3人の会話に割って入るように言った。     「さぁ若葉、俺たちもアップを始めるぞ。2人も体が冷えてしまわないうちにストレッチ続けて」   若葉は軽く肩を窄め少しだけ舌を出し、おどけるような表情を見せた。 そんな姿を見た和香と美空は顔を見合わせる。 そして3人はまた一緒に笑った。     「そうだ、2人とも今日一緒に練習しない?私たちも今日は2人で来てたからさ。それに全国トップクラスの走りを間近で見れたら勉強になるから、ね、そうしよ!」     和香はその満面に笑みを浮かべながら、はい!と返事をした。 そして美空も笑顔を見せながら言う。     「それじゃ私も流しのダッシュまでご一緒させてください。今日はマットが出ているので、その後は跳躍の練習してもいいですか?」     若葉はもちろん!と快活に満ちた声で言う。 そして井上はトラックの方へゆっくりと歩き、走り出す直前に振り返って言った。     「それじゃ美空ちゃん、マット片付ける時は俺たちも手伝うからね。さぁ若葉、アップ始めるぞ!」
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