3人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は、諏訪部和仁。
ただの中学2年生。
今年から中3になって後1年でこの学校ともお別れ…
悲しきかな我が人生。今だに彼女が作れずじまぃ。
いつも男友達と遊んでばっかで女気0…。
今日も男友達と遅くまで学校で遊んでいた。5時の鐘が鳴った頃。
「そろそろ遅いから帰ろうぜ」
いつものように俊一が話かけてきた。俺は帰ろうとして、忘れ物に気付いた。カギを忘れてきたのだ。
「俺忘れ物したから教室戻るわ。先帰ってて」
「お前を置いて帰れるわけないだろ!!マイハニー❤」
こいつは重度のゲイである。油断も隙もあったもんじゃない…。隙あらば、いつも俺のケツを狙っている。
「ダンプにでも轢かれて氏ね」
自分でも、何でこんなのと友達になったのか分からない。正直謎だ。
「あぁ…。マイハニー❤君に轢かれるなら本望だよ!ハァハァ…」
して、度Mでもある。正直キモィ。だが、女子から相当な人気がある。顔はイケてるし、頭脳明晰、スポーツ万能ときた。おまけに性格も良く人望も厚い。なのに、ゲイで度M…。まぁ、俺と二人きりの時だけなのだが…。
「じゃあ、俺がさっき使った爪楊枝あげるからさ、先に帰ってて」
俊一にはこれが効く。「ウッヒョー!!オラ、ムラムラしてきたぞ」
そう言って彼はそそくさと帰っていった。
俺は急ぎ足で自分の教室に向かった。
校舎は木造の4階立てで、3年生の俺の教室は4階にある。
4階に上がる頃には息が切れていた。
「軟弱な肉体だな…クソ」
俺は中1まで、野球部にいた。だが、先輩とのいざこざで辞めてしまったのだ。それから運動は全くしていない。
息を整えてから、また歩き出す。
階段からすぐの所に我が教室がある。
教室の戸を開けると、少女が窓辺に、一人佇んでいた。
扉の開閉の音に気が付き、彼女が振り返った。
俺の存在に気が付くと、すぐに脇を通って走り去ってしまった。
「誰だあの女?見たこと無いな」
彼女の事は一度も見たことが無い。
俺のクラスではないはずだ。じゃあ何故、ここにいたんだろう。
「謎な女だな」
彼女の事は頭の隅に置いて、忘れ物を回収する事にする。
『止まっていた運命の歯車が今動き出した。だが、俺はそれを知らない。知るわけがなぃのだ』
最初のコメントを投稿しよう!