始まり

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
キーンコーンカーンコーン…… 「では、HRを始めるぞ」 先生がいつも通りの生真面目な口調で話し始めた。 もう40なかばといったところであろうか。 髪の毛にはところどころ白髪が混じり、顔には年齢を感じさせるしわがところどころにできている。 それでもなお、若々しさを少しばかりながら感じるのは、彼が体育教師という立場であるからなのであろうか。 ここは都内の都立K高校 レベルはそれほど高くも低くもなく、6から7割の生徒が大学進学を志し、勉学に励んでいる。 これといって目立った特徴もなく、いわば、普通の高校である。 「今日のHRに入る前に1つ話がある。登下校の状況についてだ」 先生が続けた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!