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「つー事で1週間、休暇を取る事になった。俺がやらなきゃならない仕事は大体やっといたが……まだあるようなら早いトコ頼むぞ」
「「はい、班長」」
「……班長」
我らが5班の仕事部屋でミーティング中。
仕事部屋とかっていっても、刑事モノなんかによくありがちなデスク配置に山盛りの書類だらけの狭い部屋だけどな。
「何だ、副班長?」
「班長不在の間の責任者は俺なのか?」
「そりゃ副班長だからな」
錠の聞こえよがしな溜息が聞こえた。こいつ、絶対面倒くせぇって思ってんだろ……。
「当たり前だろ」
「読むなっつーに。あと観束も体調面に心配があるから医者に診せてくる」
「観束さんも体調悪いんですか?」
「この前まであんなにお元気でしたのに」
心配ねぇよとツインズの頭を撫で、二人の手元の書類の内容を確認。
……いつもながら完璧。
書類作成は錠並の速さでこなす二人にゃ頭が下がる。
「――さて。俺らが帰るまで危険度の高い任務は受けるなよ。基本的には巡回系か危険の少ない潜入系までにしとけ。
せっかく超頭脳派がいるんだし諜報部の奴らを手伝ってやってもいいしな」
「はっ、あんな陰湿な奴らの手伝いなんて御免だ。
まぁ、お前がいない間は俺が決めていいんだろ?黒都」
黒い顔で微笑みかけてくる錠……怖ぇ、怖ぇって。
お前が笑ってんのと、その鳥肌立つくらいヤバそうな黒さの両方が怖ぇ。
「任せた」
「任された」
「「同じく」」
3人の声を背に俺は部屋を出た。
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