罪と罰

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部屋に着くとすぐに、だいきに電話をかけた。 でない・・・ 続いてあみにも電話をかけた。 プルルル・・・ 延々と鳴り続くだけであみもでない。 お願いでて。 しかし、どんなにどんなにかけ直しても二人はでてはくれない。 避けられている。 そう直感した。 当たり前だよね。 私がしたことはけして許されることじゃない。 でもせめて誤解はときたいよ。 そんなことを考えていると自然と涙が溢れてきた。 子供のようにわんわんと大きな声で泣き出す私。 ケータイでメールを送ろうとしても、画面が涙でにじんで見えない。 何度ふいても同じことの繰り返し。 涙が溢れて止まらないんだ。 それから1時間後。 私はやっとの思いでメールを送信した。 『お願いだから電話にでて下さい。話したいことがあるの。』 短いメールだったけれど、たくさんの気持ちを一文字一文字に詰め込んだ。
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