罪と罰

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でも・・・ だいきは私を拒絶した。 けして受け入れられることはないと分かっていたけど辛かった。 『あんな、もうお前とは無理だから。 幸せになれよ。』 だいきの言葉がトゲとなり激しく突き刺さる。 『うっ・・・うっ・・。』 肩をひくひくさせながら泣きじゃくる私。 かっこ悪すぎる。 電話越しでわんわん泣くなんて。 それにすごい迷惑だよね。 自分がしたことの代償がこれなのに。 早くなんとかしていれば、こんなことにはならなかったのに。 いくら悔やんでも、もう遅い。 もう元には戻れない。 両手いっぱいに抱えていた幸せが、こぼれおちていく。 すくいあげても手の中にたまらない水のように。 絶望だけが私を襲い、狂ったように泣き続けた。 今思えば 泣いてすがっていたのかもしれない。 汚くても、かっこ悪くてもいい。 ただ、だいきを失いたくはなかった。
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