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しばらく泣き続けた私は、無意識に家を飛び出した。
ふらふらな足どりで夜道をあてもなく歩く。
車ひとつすれ違うことのない静かな夜は、余計に私を寂しくさせた。
そして、ふと足を止めた先にあみの家が・・・
あみのことが頭の中にあり、知らず知らずのうちにここまで来ていたのだろう。
だいきとは終わってしまった。
でも、あみなら・・・
あみならまだ分かってくれるんじゃないか?
とりあえず顔を見て謝りたい。
そう思った私は、あみの家のチャイムを押した。
ピンポン・・・
『はーい。』
そう言って出てきたのは、あみのお母さんだった。
『あのー。あみさんみえますか?』
『バイトだから今はいないよ。あみに何か伝えとこっか?』
『あっ、いいです。
お邪魔しました。』
私は逃げるようにしてあみの家を後にした。
まだ心の準備があまり出来ていなかったから・・・
今行ってもきっと何も言えなかっただろう。
たまたまあみがいなかったことにほっとする私。
とりあえずぼぉっといつも行く公園まで歩いて行った。
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