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あたしたちがはじめてあったのはお酒の席でしたね。
あたしは友達を介してあなたにあい、その時生まれてはじめてバーというものに行きました。
もう、あのバーはないけれど、あの時気に入ってのんだカクテルは、ほんとうにおいしく、かわらず定番のカクテルだということはあたしをなんとなく、うれしくさせます。
でも、だからこそ、あたしはいまはのみません。
思い出すのがいやなわけでもなく、ただ単純に、カクテルは変わらずあるのに、あたしたちがかわっていることにかなしくなるだけなのです。
そのずいぶん後、あたしたちは二人でまたちがうバーに行き、あなたはワインのカクテルをおしえてくれましたね。
あれは今、カクテルとしてではなく別々で、あたしの個体をつくりあげています。
そのあとは、やんちゃの数々ですね(笑)
ウォッカをストレートでのんで記憶をなくしたり(笑)、日本酒をシャーベット状にして昼間からのんだり、甘口の白ワインをおしえてくれたり、あたしの誕生日にホテルでのんだ、赤のゼクトだったり。
あの赤のきれいな、赤のくせに甘口の、のめない(と、当時思っていた)あたしがあれだけはたくさんのんだゼクト。あなたに『これが好きなんて贅沢なやつだな』と言わせたゼクト。
あれはもう生産が終わってしまったので、在庫がなくなれば、もう飲めません。さみしいでしょう??
また、一緒にのむことがあるかどうかは、べつとして。
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