14人が本棚に入れています
本棚に追加
『今から1年半後の俺の誕生日、午前0時、まだお互い好きだったら、昔デートしたあの橋で会おう』
そう言って別れましたね。
あなたは来なかった。
でも、あたしの心は、来ない事を知っていました。
ほんとうはね、来て欲しかったんだよ?
あなたが来るところを、何度も何度も想像した。
あなたが来たら、なんて言おう?
あなたが来たら、なにをしよう?
と。
あたしはその日、手につかない仕事を6時半に終え、どうしていいかわからず行きつけのバーに行きました。
仕事場とその橋の中間くらいにあるバーです。
11時半過ぎたら行くね、と、先にバーのマスターに言って。
11時50分に橋に着き、コーヒーを買うことも忘れてそこで待ちました。
20分。
あなたはよく10分くらいの遅刻をしたので、そのくらいの余裕を持って待ちました。
『待ち合わせをしたからと言って、待つ必要性はどこにもない』
と、あなたは言ったけれど、
『昔そう言って別れた彼女、誰も待ってくれなかったな』
と、さみしそうに言ったあなたの顔はほんとうにさみしそうで、あたしはそんなおもいをさせたくなかったので、苦しかったけど、待ちました。
その時間が無駄になったね。
と、友人は言ったけれど、あたしはそうは思いません。
誰かを思い続ける、ということはどうして、無駄、という発想になるのか、あれから2年以上たった今も、理解できません。
あなたには、待ってたのよ、とは言っていないけれど、もし言ったとして、今現在、2年前に言っていたら、あなたとの未来は今と違うものだったのかな?
最初のコメントを投稿しよう!