待ち合わせ

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『今から1年半後の俺の誕生日、午前0時、まだお互い好きだったら、昔デートしたあの橋で会おう』 そう言って別れましたね。 あなたは来なかった。 でも、あたしの心は、来ない事を知っていました。 ほんとうはね、来て欲しかったんだよ? あなたが来るところを、何度も何度も想像した。 あなたが来たら、なんて言おう? あなたが来たら、なにをしよう? と。 あたしはその日、手につかない仕事を6時半に終え、どうしていいかわからず行きつけのバーに行きました。 仕事場とその橋の中間くらいにあるバーです。 11時半過ぎたら行くね、と、先にバーのマスターに言って。 11時50分に橋に着き、コーヒーを買うことも忘れてそこで待ちました。 20分。 あなたはよく10分くらいの遅刻をしたので、そのくらいの余裕を持って待ちました。 『待ち合わせをしたからと言って、待つ必要性はどこにもない』 と、あなたは言ったけれど、 『昔そう言って別れた彼女、誰も待ってくれなかったな』 と、さみしそうに言ったあなたの顔はほんとうにさみしそうで、あたしはそんなおもいをさせたくなかったので、苦しかったけど、待ちました。 その時間が無駄になったね。 と、友人は言ったけれど、あたしはそうは思いません。 誰かを思い続ける、ということはどうして、無駄、という発想になるのか、あれから2年以上たった今も、理解できません。 あなたには、待ってたのよ、とは言っていないけれど、もし言ったとして、今現在、2年前に言っていたら、あなたとの未来は今と違うものだったのかな?
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