21人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、間に合わなかった…
叫び終わった時には和尚は蜘蛛に体を背中から貫かれていた。
「じっちゃん!」
蓮は隠れていた物陰から飛び出し和尚の側に駆け寄った。
「お前!何やってんだ!」
蓮が和尚を抱えながら叫んだ。
「何って、消すって言ったじゃん。一発で死んだだろ?安心しろすぐにお前も殺してやる。」
そう言うとまた右手を上げた。すると再び蜘蛛が足を一本振り降ろしてきた。
蓮はすぐさま和尚を抱き上げ攻撃をかわした。
「ほう、避けるか。ならば!」
領主がそう言うと蜘蛛が足の数を増やしてきた。ものすごい数の攻撃が降り注いできた。
しかし蓮は全ての攻撃をかわした。人とは思えぬ速さで和尚を抱えたままかわしているのだ。
「すげえ。」
「人間技じゃねぇよ。」
領主の周りの者達は口々にそうつぶやいた。
最初のコメントを投稿しよう!