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「違うっての!まゆまゆって呼ばないと怒るから、本当は恥ずかしいけど…友達の前とかでもさ」
高槻が嫌な過去を思い出したかの様に苦い顔をする
まぁ、俺もばぁちゃんの事をまりりんとか呼べって言われたら全力で拒否るな
~~♪♪♪
「じいちゃん、何か音鳴ってるよ?」
高槻が携帯を掲げる
「携帯だ!貸せ!」
不思議そうに見つめる高槻からひったくると相手を見る
「やっぱり真優子か…」
着信音がファンシーなのは真優子が勝手に登録したからだ
ピッ
「…どうした?」
「お兄ちゃん…まゆのこと嫌いになっちゃったんでしょ~?ぐすぐす」
うわっ…
「んな訳ないだろ?!今日は論文発表の日だからバタバタしてんだよ」
携帯越しの真優子は尚もぐすぐすと泣き続ける
待望の女の子だったからか、うちの両親はベタ甘に真優子を育てた
かく言う俺も昔から喧嘩ばっかやって敵ばっか作ってたから、真優子に害がないように過保護になってた
そんな真優子は、俺にべったりになっちまって高校も俺の大学の側を受験
「じゃあ、まゆ邪魔しないから入れて!」
これは困った
何と答えてよいものかと悩んでいると、俺の携帯が高槻に奪われる
「任せて、じいちゃん」
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