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嵐は突然やってくる
俺の大学は部門別に校舎が別れてるマンモス校だ
最初見た時は、正直でかすぎて驚いた
「ねーねーお兄ちゃ~ん?まゆに内緒で女の子連れ込んでたんでしょ~?」
真優子は俺の腕をぐいぐいと引っ張る
「んな訳ねーだろ?部屋出るのにバタバタしてたんだよ」
「…怪しい」
真優子が訝しげに俺を見る
「おっはよー☆まゆ子ちゃん!おまけに天満も」
後ろからデカい声がする
「おい、おまけかよ」
大鶴幹斗…薬品会社の大手、大鶴薬品の次期社長
この大学で俺と同じ72回生だ
チャラチャラした奴だが、薬学に関してはかなり熱心だ
「あ~ミッキーおはよー♪あのね、お兄ちゃん彼女出来たみたいなの!」
「おい、真優…」
ガシッ
「マジか天満?!相手は?優良ちゃんか?!」
俺の両肩を掴むと幹斗が鬼の形相で詰め寄る
その顔立ちから女に不自由したことがないクセに、俺の周りの女に対してはやけに食いついてくる
「優良ちゃんじゃないよ~!だってまゆに隠したもん」
「アタシが何だって?」
優良が何食わぬ顔で真優子の横に立つ
「あ~、優良ちゃん!」
志麻村優良、俺の幼なじみで腐れ縁
元レディースの頭で喧嘩はそこそこ強いが、今は看護師を目指してる
まさか大学まで被るとはな
「天満!アンタ、アタシのテキスト勝手に持ち出しただろ!?返しな!」
優良が腕を組みながら俺を見る
「俺じゃねーよ」
「あ、ゴメン!それ俺だわ」
幹斗がカバンからテキストを出す前に優良の手が伸びる
「ま~たァテメーか?アタシは夕べテキスト無くて家で大変な目にあったんだ…その落とし前、付けさせてくれるんだろうね?」
「苦し…明日のランチ、SS定食でどう…かな?」
その言葉で優良はパッと手を離す
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