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「おまっ!アレ段ボールじゃねーか!」
本気で電波かよ
どっかのネコ型ロボでも、もっといいの使ってたぞ
「仕方ないじゃん、エコだよ…未来じゃ環境に配慮しないと罰せられんの!」
「環境にって…それ、木で出来てんだぞ?」
めちゃくちゃ森林伐採の賜物じゃねーか
「知ってるよ、じいちゃんの時代に緑化計画とかで苗木植えまくった影響で、俺の時代は生えすぎで間引くのに大変なんだよ」
そうか…温暖化やら砂漠化やらで緑を増やそうと取り組んでた俺たちは、ある意味大成を成し遂げたんだな
てっきり未来は一面砂漠地帯かと思ってたけど
…
いやいや、落ち着け?
何でコイツの話まともに取り合ってんだ
「じいちゃんまだ信じてないだろ…?仕方ないからとっておき見せてあげるよ」
ほら、と少年はシャツの下から首にかけたネックレスを引っ張り出す
「これ、うち(要家)に代々伝わる指輪だろ?」
決定打だった
この世に二つとない筈の指輪がこの場に二つ存在している
一つは彼の首もとに
そしてもう一つは
俺の右手の親指に
「チッ…とりあえず家に来い、そこで話を聞かせてもらう」
「ホント?俺腹ペコペコだったんだ~」
少年はニコニコと笑う
飯食わしてやるなんて言ってないけど
「あ、そういえばまだ名前言ってなかったな…」
「要天満(てんま)おじいちゃんでしょ」
名前を知られてる事に驚きはしない
「満点の星からだよね?俺は高く昇る月なんだって」
要家は昔、占星術に長けていたらしく陰陽道を生業としてた
そこからか、特に長男は星や陰陽に関係する名前を付けられる事が多い
正直、ここまで知っている奴は初めてだ
やっぱり詳しく話聞かせてもらわないとな…
俺は少年を手引きすると公園を出た
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