0人が本棚に入れています
本棚に追加
かなめけ
公園を抜け、夜道を歩く
「ね~じいちゃん?」
高槻がにっこり笑う
「んだよ?」
「夜道は危ないよ?背中に気をつけなきゃだよ?」
サラッと不吉なことを言われた
「お前なぁ…お前こそこんな遅い時間に一人で公園で何してたんだよ」
「ん~…人捜し?こっちで頼れる人ってじいちゃんか、他に数人位しかいないし」
「ほか?」
「うん!けど、じいちゃんとこしか大体の所在地わかんなかったんだ~」
「要家行きゃあいいだろ」
あそこは昔からずっと同じ場所だ
たとえ未来だろうと、同じだろう
「…あんな腐ったとこ行きたくないよ」
小声で言ったそれは、静かな住宅街に響く
ただ分かったことは、こいつは要家の分家あたりの家柄みたいだ
俺は総本家の家柄、取り入ろうとする輩も珍しくない
けど、ガキに容赦なく引導を突きつけるのも趣味じゃねーし
もう少しこのままごとに付き合ってやるか
最初のコメントを投稿しよう!