かなめけ

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「いけね!」   俺は論文が途中だったのを思い出し、急いで自室に籠もり作業にかかる   俺の専攻は生物の細胞とかについてだ   まぁ、クローン技術とかそういうのに興味がある訳でもないけど、医療の発展に貢献出来ればいいと思って、ずっと学んでる   きっかけは母さんの病気だ   俺が馬鹿やってたせいで、心労が重なり病気になった   今でもそれを思い出すと肝が冷える   「外は風が強いな…」         サァー…   … 「あの男か…」   「あぁ、兄さん」   遠く離れた向かいのビルの上に男たちはいた   黒い装束を身に纏い、少し殺気をはらんだ瞳で天満を見つめる   「カナメ、テンマ…奴には消えてもらうしかないな」   「くすくす…僕らのマスターの為にもね」   ニヤリと笑うと人影は闇の中に溶けていった
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