某トイレのそんな奴

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沢渡裕也(さわたりゆうや)。 俺の名前だ。 因みに高校二年生。 どこにでもいるような普通の学生である。 いつものように自分の席で寝ていると、友人Aが突然話し掛けてきた。 友人Aで十分だ。 名前を言う必要はない。 「おい裕也。 最近、復活した噂話知ってるか?」 「知らん…おやすみ」 「その噂ってのがな……」 コイツ…俺は寝ると言っているのに話を続ける気か? そんなことしたら、気になって眠れないじゃないか! 「お前、花子って知ってるか?」 「某お笑い芸人の?」 「ちげーよ馬鹿」 いや、花子なんて名前の奴俺らの学校にいないしな…… それ以外で知っているかと聞かれても、お笑い芸人しかしらんぞ。 「花子って誰よ?」 「本当に分かんないのか? 花子って言えば、学校の七不思議の一つ! トイレの花子さんだろうが!!」 「…………………………………は?」 コイツは今なんて言ったんだ? トイレの花子さん? 高校生にもなって、そんな噂が広がってるのか? 「……帰れ」 「ヒドスッ!!!」 俺は友人Aを追い返すと、再び深い眠りに入っていくのだった。
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