某トイレのそんな奴

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「開かないって……誰かいるのか?」 『開かないよぉ……』 「………何組の生徒だ?」 『開かないよぉ……』 だんだん苛々してきたな。 何を問い掛けても「開かないよぉ……」としか答えないんじゃあ、会話も成り立たない。 「……開けるぞ?」 俺は取り敢えず扉に手をかけ押してみる。 ギギィ…… するとどうだ。 扉は開かないどころか、すんなりと開いていったのである。 『開かないよぉおおおおおおお!!!!』 中にいたであろう少女は、まるで俺が扉を開けるのを待っていたかのように、突然助けを求めるように腕を俺に伸ばしてそう叫んだ。 率直な感想。 なんだコイツ……キモい。 いやね、見た目は結構可愛いよ? きっと和服が似合うな。 「誰だお前……」 俺がそう質問すると、その場に沈黙が流れた。 そして暫くすると、女の子は顔を赤らめながら俯き、ぼそぼそと口を開き始める。 「えと…その……花子です」 「花子?」 俺が確認すると、花子と名乗った女の子はコクりと頷いた。 あれか? 某七不思議のトイレの花子さんの物真似でもしているってことか?
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