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そもそも男子便所に女子がいること自体がおかしい訳で、それ以外におかしいところなんてないが……
「強いて言うなら……
存在がイタイ」
「っ!!」
あ、自称花子が固まった。
いや、だってイタイだろ…
高校生にもなってトイレの花子さんのマネするとか……
「あの……ですね……」
「なんだ?」
自称花子は、俯いたままプルプルと震えながら話し続ける。
「私、さっきトイレから引きずり出されたんですよ?
それなのにいつの間にかもとのトイレにいることを、貴方は不思議に思わないんですか?」
「別に……
俺が用をたしている時、一瞬気がそっちに向くからな。
その隙に戻ったんだろ」
俺が用をたす時、便器を汚さない、チャックに挟まないをモットーとしているので、そちらに集中し他の事は気にならない。
故に、この自称花子がいつトイレに戻ったかなんて知ったこっちゃない。
「あの…ですね……
私、花子ですよ?
どの学校にも必ずある学校の七不思議の一つの“トイレの花子さん”ですよ?
“キャー”とか“ワー”みたいな反応はないんですか?」
「高校生にもなって、トイレの花子さんのマネをして悪戯するのは、イタイと思うぞ」
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