第零章 前兆

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「…暇だなぁ…」 ふと、カービィが漏らす。 不死鳥事件のあとは、滅多に魔獣が呼び出されることもなく、依然平和が続いていた。 勿論、それがカービィ達にとって…またプププランドにとってもあるべき姿であったのだが、そういうこともあるからか、次第に五人の関係は少しずつ疎遠になってきていた。 最近は全員が集まることも少なくなり、それぞれの生活を送っていた。 メタナイトはいざというときの為に備えハルバードの整備を ダークメタナイトは鏡の国を守るべくパトロールを パラソルワドルディはデデデ城で働き シャドーカービィは鏡の国でのんびり過ごしており そしてカービィはこういう有様だった。 しかし、彼等は考えてもいなかっただろう。 再びプププランドが危機に晒される事になろうとなど… 全ては、ポップスターから遥か彼方にある星々から始まった。 宇宙には様々な星が存在する。 プププランドのあるポップスターは幸い恵まれた星に当たるのだが、そうでない星の方が多い。 そのせいか、新たな土地(星)を手に入れるため、戦争が起こることもあるのだ。 かつて、一代前の不死鳥が生きていた時代…千年前に大規模な宇宙戦争が起こった。 その戦争を終わらせるために不死鳥は消え、フェンとして千年後に生まれ変わったのだが――…。 そして、新たな戦争が始まろうとしていた。 宇宙に大規模な飢饉が起こったのだ。 最も、その影響等ポップスターには全く関係のないことなのだが。 「…胸騒ぎがするな。」 ふとメタナイトが呟く。 「どうされたんですか?メタナイト様」 「…アックスか。いや、最近妙な胸騒ぎがしてな…。」 「何か悪い事か何かの前兆ですかね?」 「そうでないことを願いたいんだが…」 メタナイトは再び机に向かい、書類に目を落とす。 その瞳には、不安の色が混じっていた。
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