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私の主治医になった先生は
髪は肩下までの黒髪が
少しうねっていて
マスク越しに見てもきれいで
若い感じの女医さんだ。
むしろ 30才の私より
若いんではなかろうか？
しかし、物言いは
ハキハキしていて、
とても気持ちのこもった
話し方をし、
全力で私を考えてくれるのが
強く伝わる人。
年齢と未出産を考えると
辛い選択を迫っているのは
わかっている！と言い
だけど一番大事なのは
まだ見ぬ子供より、
あなたの体なのよ、と
私をなだめた。
しかし、私は断固手術はしないと
言い切った。
例え私が生きていても
妊娠出産ができないのなら
私の生きる希望がないから…
もしこのまま手術をして
命が助かったとしても
この先、10年20年妊婦さんや
ベビーカーを押してる人を
見ながら
何度、苦しむだろうかと…
友人の子供や妊娠に
常に嫉妬しながら
私の行き場のない、
やりきれない思いはどこへ…
涙は全く出なかった。
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