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美鈴さんによるとナイフとフォークが出せるのは、私の能力が関係しているかもしれないそうだ。
試しにスプーンを出してみるとちゃんと出現した。
能力名は『銀食器を操る程度の能力』に決定らしい。
「文月さん、日も高くなりましたしお昼にしませんか?」
「美鈴さんは先に食べてください。私はもうちょっと試したい事があるので…」
「そうですか?ではお先にいただきますね」
美鈴さんは朝に咲夜さんが作ってくれたおにぎりを食べ始めた。
それから一時間程、私は自分の能力について調べた。
「うーん…作者、厨二病…むにゃ」
ふと気がつくと美鈴さんが立ったまま寝ている。
「美鈴さん!メイド長に怒られますよ!起きてください!」
しかし美鈴さんはまったく起きる気配がない。
「咲夜さん…イヌミミ可愛いです…」
「美鈴さん!起きてくださ…」
その時、私は殺気という物を知った。
機械のような動きで後ろに視線を向けるとそこには笑顔だけど笑顔じゃない咲夜さんが立っていた。
「文月、一つ聞きたいのですがいいですか?」
優しいがまるで荊で貫くような声で問いかけられる。
当然、拒否など出来る筈もなく、私は首を縦に振った。
「何故、美鈴は寝てるんでしょうね?あなたが起こす事だって出来た筈なのに」
「わ、私、訓練に一生懸命で、美鈴さんが寝てるのに今まで気付かなかったんです!」
「そうですか。なら仕方ありませんね」
美鈴さん、ごめんなさい。私だって怒られたくないんです。
「ですがそれは、訓練をしていて門番をサボっていたという事になりますよね?安心してください。いくら文月が妖怪だからといってもまだナイフは使用しませんから」
「さ、咲夜さん。私って妖怪ですか?」
いや他にも言いたい事はあったんだけど、まずはそこを確認しておきたい。
「知らなかったんですか?これは美鈴には少し調教をする必要があるみたいですね」
…どうやら私は妖怪だったらしい。
それより咲夜さん、その笑み…怖いです
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