仕事

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咲夜さんに説教をされてから一週間が過ぎた。 美鈴さんはその時何をされたのかわからないが、あれから仕事中に眠らなくなった。よほど酷い目にあったに違いない。 私もこの仕事に慣れてきた。 まぁ、あんまりお客さんも来ないので大した事はしてない訳だが…。 今日は美鈴さんと一緒に咲夜さんに呼び出された。どうやらお嬢様から話があるらしい。 …そういえばお嬢様に一度も会った事がない。これは少し問題な気がする…。 「こちらでお嬢様がお待ちです」 他とは違う立派な扉の前まで案内された。美鈴さんもなんだか緊張しているように見える。 扉の向こうからはなんとも言えぬ威圧感が漂っている。だがそれは押さえつけるだけではなく、同時に人を従わせる何かを感じた。それは強制的ではなく、自ら従おうと思える憧れ的な感覚だった。 咲夜さんが扉を開き中へと案内された。 一番奥に居たのは私よりも小さな少女。 少女は自分より背丈がある椅子に座っている。彼女からは見た目とは裏腹にとても強い力を感じた。 「よく来たわね。美鈴、文月」 私は返事ができなかった。彼女の存在があまりにも大きく、声をかけるのすら躊躇ってしまう。 「私が紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ」 よく見てみるとお嬢様の背中には蝙蝠のような羽が生えている。 「あなた達を呼び出したのは門番の事で少し話しがあるからよ。咲夜」 お嬢様の少し後ろに下がっていた咲夜さんが前に出た。いつの間にそんな所に居たのだろうか…。 「近頃は美鈴の居眠りも無くなってきました。なので門番を美鈴一名に戻すとの事です。文月は以後、私のサポートを行なってもらいます。美鈴、あなたは仕事に戻りなさい」 「あ、はい。わかりました」 美鈴さんはお辞儀をすると部屋を出ていった。
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