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数時間後、私は道に迷っていた。
地図の通りに来た筈なのだが森は妙に入り組んでおり道がよくわからない状態だった。
「うぅ…私、このまま帰れないなんて事はないよね…?」
空も段々暗くなってきている。
妖怪に遭遇したりすれば大変だ。
…まあ私も妖怪な訳だが実戦経験が無いのだ。遭遇しないように気をつけなければ…。
「ん?あれって…家、だよね?」
木と木の隙間から人が住んでいそうな家が見える。
よかった…。神社への道を聞いて早く手紙を届けよう。
私は戸口に行くと扉を軽くノックした。
「すいませーん。どなたかいらっしゃいますか?」
しばらく待つとドタドタとこちらに向かってくる音が聞こえてきた。
「こんな遅くに誰…だ」
家から出てきたのはなんと、魔理沙さんだった。
「お、お久しぶりです。魔理沙さん!」
「あ、ああ…えっと」
そういえば魔理沙さんは私の名前知らないんだ。
「あ、文月です。この間はお世話になりました」
「い、いや、それよりなんで私の家がわかったんだ?」
「実は道に迷ってしまって偶然…」
「そうか。なら今日はもう暗いし泊まっていくといいぜ」
「そんな!迷惑じゃないですか?」
「このまま森で死なれる方が迷惑だぜ」
確かにここは慣れない人が歩くには危険すぎる場所だ。
私はお言葉に甘えて今日は泊めてもらう事にした。
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