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魔理沙さんの家の中は予想外にも散らかっていた。
向こうには脱いだ服、あっちには本、そこにはお菓子の袋と散らかり放題だ。
「魔理沙さん、掃除しないんですか?」
「ん、あー…たまにはやってるぜ?」
その『たまに』がどれくらいの事なのかがとても気になる。
「…寝室と風呂は綺麗だから安心していいぜ?」
つまり寝室とお風呂以外は汚いという事なんですね…。
「ちょ、丁度シチューを作りすぎていたんだ。食べるか?」
「…いただきます」
慌てて話しを逸らそうとしているのはわかっていたがお腹も空いてたし、私に人を苛める趣味はない。
「私特製のシチューだぜ」
出されたのはキノコのクリームシチューだ。
スプーンでシチューをすくい一口食べてみる。
「お、おいしい」
そのシチューはとても美味しかった。
私は夢中になってそれを食べる。
「適当にキノコを入れただけだからその味は二度と出せないが気に入ったならよかったぜ」
私はピタリと手を止めた。適当って事は変なキノコが入っていてもおかしくない。
…そういえばなんだか身体が熱くなってきた。
「魔理沙さん…このシチュー、媚薬かもしれません…」
「そんな筈はない。そういうキノコは取らないようにしてるんだぜ?」
「じゃ、じゃあなんでこんなに身体が…」
さっきより身体が熱くなってきて全身が疼く。
「うーん、キノコと料理の組み合わせが偶然、媚薬効果を生み出した…かもしれないぜ」
魔理沙さんの声がほとんど聞き取れない。
「魔理沙さん、私もう我慢出来ません」
私は魔理沙さんを床に押し倒した。
それが、その日最後の記憶だった。
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