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道中、私はいろいろな事を聞いた。
ここが幻想郷と呼ばれる場所である事。
ここには外の世界で忘れられた物が入ってくるらしい。私も…忘れられたのかな?
魔理沙さんの事も少しわかった。普通の魔法使いらしいが、普通ってどういう意味だろう?私には説明が難しくて理解出来なかった。
「もうすぐだ。スピード上げるからしっかり掴まれ!」
掴まる場所なんてないですよ!と言う暇もなかったので私は魔理沙さんに掴まった。すると、両手になんだか柔らかい感触を感じた。
「ちょっ、どこ掴んでるんだ!」
なんと、私は魔理沙さんの胸を触っていた。
「あわぁ!ごめんなさ…」
慌てて手を離したために、私は箒から落ちた。
私は上手く受け身を取り、大した怪我はなかった。
…なんて事はなく見事に地面を転がった。
おかげで着ていた服はボロボロになってしまった。
草地に落ちたからか怪我も少ない。
ふと顔をあげるとチャイナ服を着た女の人が見下ろしていた。
「大丈夫ですか?」
「は、はい!」
私は慌てて立ち上がった。が、その拍子に勢い余って転んでしまった。
「よう、中国!今日はレミリアに用事があるんだが通してもらえるか?」
「いけません。なんで本泥棒を入れなきゃならないんですか!?それに私は紅美鈴です!」
「人聞きが悪いぜ中国。私はただ死ぬまで借りてるだけだぜ!」
それは泥棒と変わらない気がするのは私だけだろうか?
「だから紅美鈴です!で、彼女は見かけない方ですがどなたでしょうか?」
「森で拾ったんだが中国、紅魔館のメイドじゃないか?」
「見覚えはないですね…。あと私は紅美鈴です」
「じゃあ中国、雇ってもらえるようにレミリアに頼んでくれ!」
「何度言ったらわかるんですか!紅美鈴です!紅美鈴!」
「じゃあ頼んだぜ美鈴!」
そう言うと魔理沙さんは箒にまたがりあっという間に見えなくなってしまった。
「だから私は中ご…あれ?」
…今のは聞かなかった事にしよう。
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