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「あなた、誰?」
その声に少年はピタリと止まる
「亜理亜…‥?何を言っているんだ?俺を、忘れたのか?」
少年は静かに問いかける。
彼は自分を亜理亜と呼ぶ。
その声は不思議と懐かしい。
だが、しかし
「亜理亜って、誰?」
彼女はその名前に心当たりがなかった。
「そうか…‥」
彼は、彼女の言葉を聞いて、傷付いたような表情を浮かべた。
その顔に、胸がドキリとする。
苦しくて、痛くて堪らない。
「あなたの、名前は?」
彼の口がゆっくり動く。
なのに、その声が聞こえない。
酷く、哀しい気持ちになった。
そして彼女は知らない内に、その意識を手放していた。
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