第一話“忘れられた夢”

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「…‥。そういえば、今何時だろ?」 何気なく手にした時計の針は、もう少しで朝の8時を指そうとしていた。 はて、今日は何曜日だったっけと、彼女はカレンダーを見る。 5月24日、今日は… 「月曜日ーー!?」 思わず、叫んでしまった。 学生にしてみれば、月曜は立派な登校日だ。 しかも、彼女が通っている高校は、8時15分までには門を通過しなければいけなかった。 本来は二度寝した自分が悪いのだが、彼女は “何もかもあの少年のせいだ”と、決め付けた。 そして、部外者から見たら、思わず“おいおい”とツッコミたくなるような、ある意味素晴らしい責任転嫁を彼女は成し遂げた。
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