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彼女は、普段の彼女からは想像もできない程のスピードで、なんとか学校に間に合った。
「…‥ゼィ…‥ゼィッ」
(ハァ…苦っし)
疲れ切った彼女は、背後から迫ってくる足音に気付かなかった
「妃女。おっはよう♪」
だから、反応に遅れた。
「ぅ、え?あ、美羽ちゃん!」
妃女はグワシッと、後ろから抱きつかれていた。
「美羽、ちゃん。ちょっと、苦しいっ!」
抱きついていた美羽は、苦しげな声を聞いて、腕をパッと離した。
抱きついた時の勢いが強すぎたのか、妃女は噎せる。
「コホッコホッ…」
「大丈夫?」
少しばかりの罪悪感を感じつつ、美羽は妃女の背中をさする。
「…‥ん。もう大丈夫だよ。
ありがと」
「いゃ、やったの私だし。ってか、今日は遅かったんだね?いつももうちょっと早いのに」
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