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美咲は走り終えるとそのまま先生の元に行く
記録を書いた紙を見てため息を吐く
「由香、遅すぎ」
『そっち?美咲は自分のタイム気にしなよ』
私はため息を吐いて、グランドでサッカーをしている男子の中から藤崎を探す
いた、やっぱ目立つなぁ…
美咲が私の肩を組んで
「藤崎、彼女と別れたらしいよ」
ニヤリと笑う
『知ってるから』
美咲の手を払いながら言った
スタスタと他の生徒の元に歩く私を、美咲が早足で追いかけてくる
「告ればいいじゃん」
『そんな簡単に言わないでよ』
美咲を軽く睨むが気にせず続ける
「だってもうすぐ夏休みだよ。夏休みが終わったら受験まっしぐらなのに、今言わないでいつ言うのよ」
『私、受験しないし』
「あんたはそうでも、藤崎は違うでしょ」
『……』
そうだけど…
でも簡単に告白なんて、できないし…
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