喪失

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マキは広川が去るなりすぐ食いついてきた。 「 ねぇ、涼香ちゃん、どういう事? 口座番号がどうのこうの言ってなかった? 」 「 あっ…あの…私が借金あるって言ったら肩代わりして払って下さるって…」 「 えーっ?マジにぃ? あんた上手い事やったじゃん!じゃ彼の女になるって決めた訳ね。 」 「 いいえ、そんな話は全然… 」 涼香は予想外の話に硬直していた。 「 あんた甘ちゃんねぇ、無償でそんな大金、ポンと出す訳ないじゃない 」 「 要はひとつふたつさせろって事よ。 まっ、所詮この世界寝てなんぼだからね」 「 あんた水商売たったの二日であんな大物釣り上げたんだもの、 たいしたもんね。 あ~あたしにも誰か金くんないかなぁ~ かたや二日で何百万、 なのにあたしはつけ倒されバンス何百万! なんか馬鹿らしくなってきた!」
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