喪失

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私が広川さんと寝る? そんな事考えてもみなかった… それがあたり前なの? どうしよう… 一気にテンションが下がってしまった。 店に戻ってからも今一つ元気がない。 引けが早く十一時を回った所で客はゼロになった。 「 あ~ セックスしてぇ~もう誰でもいいからしてぇ~! 」 綾香はこの時間になると大体出来上がっている。 喋ると元ヤンの臭いがプンプンするが、あっけらかんとしていてトークも面白い。 異色の存在だが、綾香の着く席は笑いがいつも絶えない。 男と別れて二週間。 もう我慢の限界らしい。 ここまで性欲が強いと殆どもう動物の域だ。 そんな綾香に涼香は恐る恐る聞いてきた。 「 あやかさん、セックスってそんなに気持ちいいもんなんですか? 」 「 あ? 気持ちいいに決まってるじゃん。まっ相手によるけどさ、もしかしていった事ないとか? 」 「 私まだ経験した事ないんで… 」 「 はっ?もしかして処女?」
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