離婚

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時は経ち… 記憶にはうっすらしか残っていないが、 ある日、母は私に「パパとママ、どっちが好き?」と訪ねた。 意味などわからない私は、迷わず「ママ😃」と答えた☆ 他の兄弟も同様に聞かれたらしい。すると全員「ママ」と答えた。 長男は母にこんな事を言ったという。 「ママ。僕たちのためにママが苦しむならやめて。僕たちはパパの本性は解りすぎるくらい解っているつもりだから、どうか僕たちのために耐えるのはやめておくれよ…」と。 兄の言葉は、母が一番心配していたことを的確に助けるものだった。 その日親子で泣き崩れたという。 …そして母は子供4人全員を引き取って、小松家を後にした。 途中、父は「離婚はいつまでするつもりだ?」とわけのわからない発言をしてきたり、出て行こうとする母の靴を全部捨て、出られないようにするなどの嫌がらせをしたという。中には大切な物もあったというのに…。 とにかくこうして母は小松家から飛び出したのだった。 行くあてもなく、お金もないまま…。
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