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父親
父の名は小松 春夫（こまつ はるお）。
父方の本家には子供が出来ず、うちの父親は親族から子供の頃に養子に迎えられました。
子供の出来ないお金持ちの家に来た子宝!!
そりゃあもう溺愛されて育ったそうです。
いわゆる『小皇帝』ですな。
そのお陰かどうかはわかりませんが、父は次第に二つの顔を持つ『良い子』に育ちあがります。
『大黒屋のハルちゃんは虫も殺さない、穏やかで優しくて、しかもお金持ちの超二枚目✨』
と、ずいぶん評判だったとききます。
ちまたでは『一体誰がお嫁さんに選ばれるのかしら♥』な～んてｷｬﾋﾟｷｬﾋﾟとした話題が絶えませんでした。
そこへお嫁に選ばれたのは、お見合いで（←なんでやろ）うちの母、加藤 美音子（かとう みねこ）だった。
お見合いの翌日に、もうすぐに結婚してくれっ！と、母の実家に行ったのだ。
子供心にはなんで？みたいないきさつだが、事実だ。
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