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   俺はたまらなくなり、握った拳で机を打ち鳴らした。 「うるせえ……」 「ッッ!!」  予期していなかった俺の行動にとっさにこちらを向き、心底驚いた表情を見せる古手川。涙の跡が、うっすら肌を伝っていた。 「……俺の前で、絶対そんな発言はするな。一生言うんじゃねえ。そういう話しは金輪際聞きたくない」 「…………………………」  俺は立ち上がって玄関に向かい、乱暴に靴を履き、扉を勢い良く開け大きな音を立てて閉めた。  まだ冬でもないのに、変に外の空気が冷たかった。  
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