■ ■ ■

3/4

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
  『八月十七日 晴天  気紛れで書き始めちゃったけど、書き始めたからには途中で投げ出すようなことはないようにしたい。俺はそういう男になりたい。相田みつをじゃないけれど、詩的な文章から始めるのも悪くない、……のか? どっちなんだよっていう話。  こんなにクソ暑いのは誰の所為にも出来ないけれど、正直朝からセミの声だけは聞きたくない。そんな声にうなされて、今日起きたのは朝七時。実に健康的だけど、汗ぐっしょりだし耳障りなセミがうるさいしで最悪の目覚めだった。こんな日を毎日続けていると、精神的にも参ってくる。二十歳になった俺は、セミの声ごときでおかしくならないで欲しいな。  もうすぐ夏休みが終わる。そろそろ宿題に手をつけ始めなければ……。はぁ、やる気が出ない。  次にこれを書くのはいつになるだろうか。明日か明後日か一週間後か一ヵ月後か一年後か、えとせとらえとせとら。えとせとらの綴りが分からないから平仮名で。調べる気すら起きない。  また書くかどうかも分からないから、あまりハードルを高く上げないでおくよ。未来の俺は、もう知っているだろうけど。  それじゃあ、また』  
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加