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「今日は練習お休みしなきゃね」 体温計を箱にしまいながら葵に諭す。 「あのなぁ、俺が行かねぇと‥」 と言いながら起き上がろうとした葵の言葉をかき消し言い放つ。 「全然問題なく成り立つわよ。飛鳥君にお願いしておいたしね」 おでこから落ちたタオルを冷たい水で濯ぎながらさらに諭した。 「飛鳥君なら安心して任せられるでしょ?」 「飛鳥か‥」 飛鳥君は葵の一番信頼できる相手だから。 だからこそ私は飛鳥くんに頼んだ。 「‥ったく仕方がねぇか」 深くため息を吐き布団に倒れこむ葵。 タオルを絞りおでこに乗せる。 めくれた掛け布団を優しくかけなおした。
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