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「五月の合宿の練習相手。あなたのユースチームとやりたいのですが。どうでしょう?」
五月のGW。
サッカー部にはGallows Weekと呼ばれている。
『絞首台の週』。
夏の総体直前合宿の事である。
「いいでしょう。僕のお願いを聞いてもらったんだ。何とかしましょう」
水谷はそう言って握手を求めた。
大橋はにっこりと笑い応じる。
「では失礼します!ありがとうございました!」
水谷は頭を深々と下げ、部屋を出た。
「覚雄介。彼が本物になるには決定的に欠けているものがある。私と一緒にはさせませんよ。中田篤志もね…」
ポツリと呟き、大橋も部屋を後にした。
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