12人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「えー、今日はこの中間テスト2日前だと言うのに無謀にもやって来た転校生を紹介する…」
ザワザワとザワついている教室…
「転校生だって☆」
ゴン太は嬉しそうだ。
「まぁ女だったら良いけど…野郎ならアホのレッテル貼ってやろうか。」
「あんたを超えるアホなんていたっけ?」
「んだとこのヲタ姫がっ!?」
「ぁあ"っ!?やんのかボケェッ!?!?」
「後藤に月代、止めろ、ちなみに転校生は男だぞ?」
「マジかよ…」
「先生!?その子かっこいい?」
「うーん…どうだろうな…正直男なんて皆、猿みたいなもんだから。」
…(間)
…(間)
…(間)
「まぁ、言っててもしょうがないし…入ってもらうか、どうぞ…」
ガラッ…
扉が開く…
カツカツカツ…
スリッパを鳴らす音と共に、スラッと細身の男が出て来る…
眼鏡を掛けている、キリッとしたまなざし、サラサラの髪の毛に、冷たい瞳は…かなりの美少年だと言う事を彷彿させていた…
「きゃ…」
「「「きゃーーっ!?!?かっこぃいいっ!!!」」」
女子のある一帯が大声を張り上げる…
「あんな野郎の何処が良いんだか…」
「あんたいきなりひがみ?」
「ひっ!!ひがんでねぇっ!!」
「はぁーい静かに…それじゃあ自己紹介よろしくね。」
コクッ…と一礼すると、チョークを手に取り、黒板に自分の名前を書き始める。
「おお…」
口々に名前を呼び、心待ちにする女子…
サラサラ…
「お…か…?」
カリカリ…タンッ…
名前を書き終えると、後ろを振り返り、男は、爽やかな笑顔で口を開いた…
「初めまして…牧鍋高校からやってまいりました、大岡 滋(おおおか しげる)です☆ふつつかものですが…よろしくお願いします…」
「牧鍋だって…」
「牧鍋って言ったら坊っちゃんが通うとこだろ?」
「ああ、あの金持ち学校か…なんでまたこんな平凡な私立に…」
「…」
「月代君、なんかあの人すごいらしいよ?」
「なぁんかアイツ…」
滋と名乗るその男は、広大にとって何故だか、凄く異質な…しかし、身近な存在に思えた…
続く
最初のコメントを投稿しよう!