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「広大!?マイサンッ!?我が愛しの息子っ!?」
「うるっせぇっ!?クソ親父!?てめぇ…どう言うつもりだ!?1から説明しやがれっ!?」
「何を怒っている…お前のために準備したんじゃないか!?」
バキッ!?
「ぐぉっ!?何をするマイサン…」
「黙れクソ親父…どこの世界に17の息子の鞄に護身用のスタンガンに撃退用のブザー入れる父親がいるんだよ…俺は小学生か!?会社帰りのOLか!?」
「父さんはお前の事を思ってだなぁ…」
「俺の事思ってんなら近付かねぇでくれねぇかな?」
「おはようごぜぇます若…」
居間でガタガタ言っていると、奥から懐かしい漢が出て来る…
「銀の字、おはよう。」
「若、早くしねぇと学校遅刻しますぜ?それに、一(はじめ)坊ちゃんは、一足先に学校行きましたぜ?」
「一が?あのやろ…俺置いて行きやがって…銀の字、この馬鹿野郎を連れて行ってくれ…」
「な、何を言うんだ広大!?父さんに向かって…」
「あらあら…どうしたのかしら…?」
その時、透き通る様な女性の声が聞こえる。
「さ、早苗…」
「お袋…」
「早苗さん…」
みんな一斉に静まり返る…
「あら?広大、一はもう行ったわよ?貴方は行かなくて良いのかしら?」
「は、はいっ!?行って来ます!?」
脱兎の如く逃げる様にその場を去る広大…
「あなた…そのスタンガンとブザーは何?」
「あっ…いやっ!?これは何でもない!?」
「銀…どういう事?」
「はっ!?…大方、若の鞄に入れて若を怒らせたんだと思いやす…」
「銀っ!?お前…」
「ありがとう銀♪あなた☆ちょいとこちらに☆」
「…さ、早苗…違うんだ…聞いてくれ…俺は広大が心配で…」
「良いからこちらに☆」
(殺される!?)
銀の字ですら理解出来た…
「はいっ…」
そして居間から出て行く…
「ぎゃあああああっ!?」
悲鳴だけが聞こえた…
(この家の最強は早苗さん以外ありえねぇっすな…)
ある朝の一コマであった…
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