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プロローグ
「親父(おや)っさん!?遂に生まれましたよ!?」
薄暗いが、大きくて豪華な部屋にある男が走って来る…そこには、また別の若い男がいた…
「この年で…親父になるとはな…」
フー…っと、煙草を噴かし、部屋のデスクに飾ってある写真立てを持ち上げる…
「頑張ったな…早苗(さなえ)…」
愛しそうに眺めるその写真に写っていたのは、男と綺麗な女性…
暫くして男はその写真立てをデスクに戻した。
「ところで…親父っさん、早苗さんの所に行かなくていいんですかぃ?」
「馬鹿野郎!?銀の字(ぎんのじ)…お前…わかってねぇな…ホントの漢(おとこ)ってのをよぉ…?」
「はっ…すいません…」
「漢はな?黙って背中見せんだよ…女をよ…安心させてやんだよ…だからガキなんてものは女に任せときゃ良いんだよ…」
「親父っさん…」
「それより今日は予定通り定例会だな?」
「はいっ!?すぐ車の手配を致しやす!?」
「そうと決まりゃ行くぞ…」
男はどこから出したのか、ぶわっとコートを羽織り、銀の字と呼ばれた男と一緒にその場を後にした…
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