浸透

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浸透

わたしの兄は、何をとっても一番だった。 勉学では学年一位、運動では県大会出場、気遣いができ、近所でも評判がよかった。 わたしにとっても、自慢のできる頼れる兄だったのだ。 しかし、兄に比べ、わたしは勉強ができなかった。 机に何時間も向かって英語の単語を覚えるよりも、外に出てひたすら体を動かし続ける方がわたしのしょうに合っていた。 「何なのこの点数は!」 母にテストの点数で怒鳴られることなんて日常茶飯事。 「まったく、少しはお兄ちゃんを見習いなさい」 そして必ずと言っていいほど、説教には兄の話が入る。
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