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「雲雀、いるのか?」
五月五日の昼。
山本は雲雀の暮らすマンションの一室の玄関前で寿司をもって彼が出てくるのを待っていた。
「・・・家まで来て何の用?」
雲雀はけだるそうにパジャマ姿でドアを開け、山本を招き入れる。
「今日は五月五日だろ」
「子供の日なんて中三にもなって祝わないよ」
雲雀は冷静に相づちを打つ。
「それもあるけど・・・今日はさ・・・」
山本は何かをいいずらそうにしながら雲雀に近づく。
「雲雀の誕生日だろう?」
「誕生日なんてただ年をとるだけじゃない?」
山本は雲雀を自分の胸に抱き込み、そのまま耳元でささやく。
「恋人としては祝わないとなぁ」
その言葉に雲雀は照れながらこう答えた。
「きみと僕は恋人なんかじゃないよ」
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