#1⃣ ある春の夜

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『やっぱり女の子って・・・いいよな~』 玄関に着くなり、幸輝は独り言を本人が思う以上の大声で喋りだした。 その声を聞きつけ、二階から誰かがおりてくる。 『お帰り』 大学生になった優輝が一足先に家に着いていた。 『優輝、何で先に帰るんだよ。女の子たち残念がってたぞ』 優輝は苦笑いを浮かべながら、玄関前を通りキッチンへ向かう。 その時、微かに幸輝からバニラのような甘い香りがした。 『やっぱり、女の子は苦手だからさ、』 合コンの途中で帰った優輝を咎めはしたものの、戦利品をGETできた幸福感で顔はゆるんだままだ。
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