夢魔

5/11
前へ
/15ページ
次へ
ランドル『さあ、あなたの望みは?なぜ我々のもとへ?』 ランドルはリビングにあるソファーに腰掛け、依頼人に問いかける。 依頼人はセミロングの髪にくりっとした目でとても可愛いらしい16歳ほどの女性である。 女性「実は私、最近寝たくないんです。」 女性はランドルの目を見ながら話しだした。 ランドル『寝たくない?それはなぜですか?』 ランドルが問いかける。 女性「最近、悪夢しか見ないんです。何度も何度も悪夢ばかり、そしたらだんだん寝るのが怖くなって…ここ数日寝てないんです…」 ランドル『だからその悪夢を見ないようにしてほしいと?それがあなたの望みですか?』 女性「はい。それができるのならそうしていただきたいですけど…できますか?」 ランドル『承知しました。じゃあ少しお待ち下さい。』 ランドルはそう言うと立ち上がり、リビングの奥にある物置きのロッカーの戸を開けて何かを取り出した。それはアクアブルーに光ったビー玉のようなキーホルダーである。 ランドルはまた椅子に座りそのキーホルダーを女性に手渡す。 女性「何ですか?これ。」 女性は不思議そうにキーホルダーを見る。 ランドル『それは悪夢を消し、夢を幸せな夢にしてくれるというものです。それを寝るときに身に付けていて下さい。必ずあなたは悪夢を見なくなるでしょう。』 女性「本当ですか!?」 女性は一気に顔が明るくなった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加